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suugakusha

算数と数学8

更新日:8月1日

こんにちは!


沖縄は未だ梅雨空。


と、そんなことよりもすごいニュースが!


JAXAの探査機はやぶさ2が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などから20種類以上のアミノ酸が検出された、とのこと。

「生命の起源は宇宙」との説の裏付けとなる可能性も!

天然のアミノ酸500種類程度の内、ヒトを構成するアミノ酸は20種類。

どんなアミノ酸が含まれていたのか気になります。

JAXAの論文が待ち遠しい!!



さて。


「算数ってどこまでが範囲なんだろう・・・」と思ったりしませんか?



例えば「三角数列」を少し変えてみるだけで・・・


①  1

  3 5

7 9 11

13 15 17 19

・・・


1 3 6 10 ・・

2 5 9 14 ・・

4 8 13 19 ・・

7 12 18 ・・・

11 ・ ・ ・・・


これらの問題は


①‐1「上から8段目左から4番目の数を求めなさい」

(②も同様)

①‐2「上から8段目の数の和を求めなさい」


のように使われますが、どうでしょう。


「等差数列」や「等差数列の和」も「中学受験算数」では当然のように扱われることで、このような問題も成り立っています。これでも「基本問題」の部類に入ります。


例えば①‐1は

8段目の1つ前までの、1段目から7段目までの数の個数は

(1+7)×7/2=28(個)

8段目の左から4番目なので

28+4=32(個)

奇数の数列は、□を個数とすると

2×□-1

〔1+2×(□-1)とする塾もあります。高校数学「等差数列の一般項」と同じ求め方ですが、算数では「植木算方式」などと呼んだりもします〕

よって

2×32-1=63


と、結果高校数学「群数列」である問題も多数出題されています。


①‐2は

「8段目の数までの和から7段目までの数の和をひく」「8段目の一番左の数から一番右の数までの和を求める」などで求めるのが一般的です。

ここにも規則性(立方数1,8,27,・・・)がありますが、そのような規則性を敢えて見つけさせる問題もあります。


①‐1と同じく、②であれば

「8段目の左から4番目」は「11段目の一番左から始まる右斜め上4つ目の数」を求めれば良いことから、基本の「三角数」を用いて

(1+10)×10/2=55

55+4=59

で終わりです。


いくらでも応用が利き、実際いろいろな問題が作られています。



そして


『左右に等しく水が流れるパイプがあります。

ここから1㍑の水を入れると

      ↓1㍑

       |

       /\

      /\/\

     /\/\/\

    /\/\/\/\

   /\/\/\/\/\

  /\/\/\/\/\/\

/\/\/\/\/\/\/\

| | | | | | | |

     A  B

A、Bからは何㍑の水が出ますか。』


のような問題・・・



これは

「パスカルの三角形」

を基本としています。


「パスカルの三角形」とは


① 1

② 1 1

③ 1 2 1

④ 1 3 3 1

⑤ 1 4 6 4 1

⑥ 1 5 10 10 5 1

⑦ 1 6 15 20 15 6 1

⑧ 1 7 21 35 35 21 7 1

⑨ 1 8 28 56 70 56 28 8 1

⑩・ ・ ・ ・


のように、一番上と両端はすべて「1」

3段目からは1以外、上の2つの数字の和で作られる三角形のことです。

みなさんも1度は目にしたことがあるかと思いますが、これはパスカルが最初に考えたものではありません。もっと古くから研究されていたものなのですが、「パスカルの三角形」として知られています。


「中学受験算数」では、3段目から現れる、左(右)から3番目の数字の並びが、基本の「三角数」になっていることで最も良く使われます。


これはまず

1段目は1

2段目の数の和は2

3段目の数の和は4(2×2)

4段目の数の和は8(2×2×2)

・・・

のように、n段目の数の和が〔2の(n-1)乗〕となっていることと併せて答えを求める問題になっています。(算数では~乗ではなく、~個かけ合わせる、となります)

これも規則性の一つです。


「パイプの問題」のA、Bの段は「パスカルの三角形」で言えば8段目ですが、

問題に応じて、下図の最初の分岐a,bから出る水を1段目とすると

     ↓1㍑

     |

     /\

ここ → a b


(a,bで1㍑の水は1:1に分かれ、更にa,bから、ともに1:1に分かれ・・・結果「パスカルの三角形」が利用できることが分かります)


A、Bは7段目にあたり、

7段目のすべての数の和は2を7個かけ合わせ

2×2×2×2×2×2×2=128


左から3番目の数字が表れるのは2段目からなので

7-1=6(2段目から7段目までの段数)

つまり、6番目の「三角数」

(1+6)×6/2=21


よって、求める答えは

21/128㍑

となります。


次に、Bを求めるには、「左から4番目の数は、その左上の数までの右斜め上の数(左から3番目の数=三角数)の和になっている」こと(これも規則性の一つです)を用いれば、簡単(?)に求められます。

7-1-1=5(左から3番目の数(三角数)を5つたす※)

1+3+6+10+15=35

よって求める答えは35/128㍑となります。


他にも、考え方、求め方は、いろいろな規則性を見つけることから始まります。


中学受験後半ではさまざまなことを、「合格」させるために「知識」とする必要もありますが、「教える側」は、生徒が自ら見つけ出すまでの時間と、「知識」として覚えさせる時期とのバランスを、常に考えなければいけません。



「パスカルの三角形」には

まだまだいろいろな「規則性」や「数列」が隠れています。


次回、いくつか簡単なものを紹介しながらお話を進めていきます♬


次は6月23日頃の更新予定♪


では!



※:1+3+6+10+15=35

など、「三角数の和」

1,4,10,20,35,・・・

を、「三角錐数」「四面体数」などと言います。

「パスカルの三角形」で左(右)から5番目の数

「三角錐数の和」

1,5,15,35,70,・・・

を「五胞体数」とも言います。



前回の問題の解答:

題意より、1985,60を自然数n(ただし1<n<60)で割ったときの商をそれぞれa,b、余りをr(a,b,rは自然数)とすると

an+r=1985

bn+r=60

辺々ひいて

n(a-b)=1925

よってnは1925の、60より小さい1を除く約数である。

1925=5^2×7×11

(5^2は5の2乗を表すものとします)

から、

n=5,7,11,25,35,55

60を上のnで割った余りrはそれぞれ

r=0,4,5,10,25,5

となるが

r≠0より、r=0を除く5つの余りの数rでそれぞれ60を割ったとき、割り切れずまた余りがあるものはr=25のみ。

(60だけを調べれば十分です)

よって求めるnは

n=35

ここで

1985÷35=56・・・25

60÷35=1・・・25

1985÷25=79・・・10

60÷25=2・・・10

となり、これは確かに題意を満たす。(解答終わり)


尚、ブログ内の入試問題はすべて使用許諾取得済みです。

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さて。これまで ①1○2○3○4○5○6○7○8○9=1 ②1○2○3○4○5○6○7○8○9=10 を用いてお話を進めてきました。 この問題・・・ なんかどこかで見たことがあるような・・と思った方がいるかもしれません。

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