こんにちは!
沖縄は未だ梅雨空。
と、そんなことよりもすごいニュースが!
JAXAの探査機はやぶさ2が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などから20種類以上のアミノ酸が検出された、とのこと。
「生命の起源は宇宙」との説の裏付けとなる可能性も!
天然のアミノ酸500種類程度の内、ヒトを構成するアミノ酸は20種類。
どんなアミノ酸が含まれていたのか気になります。
JAXAの論文が待ち遠しい!!
さて。
「算数ってどこまでが範囲なんだろう・・・」と思ったりしませんか?
例えば「三角数列」を少し変えてみるだけで・・・
① 1
3 5
7 9 11
13 15 17 19
・・・
②
1 3 6 10 ・・
2 5 9 14 ・・
4 8 13 19 ・・
7 12 18 ・・・
11 ・ ・ ・・・
これらの問題は
①‐1「上から8段目左から4番目の数を求めなさい」
(②も同様)
①‐2「上から8段目の数の和を求めなさい」
のように使われますが、どうでしょう。
「等差数列」や「等差数列の和」も「中学受験算数」では当然のように扱われることで、このような問題も成り立っています。これでも「基本問題」の部類に入ります。
例えば①‐1は
8段目の1つ前までの、1段目から7段目までの数の個数は
(1+7)×7/2=28(個)
8段目の左から4番目なので
28+4=32(個)
奇数の数列は、□を個数とすると
2×□-1
〔1+2×(□-1)とする塾もあります。高校数学「等差数列の一般項」と同じ求め方ですが、算数では「植木算方式」などと呼んだりもします〕
よって
2×32-1=63
と、結果高校数学「群数列」である問題も多数出題されています。
①‐2は
「8段目の数までの和から7段目までの数の和をひく」「8段目の一番左の数から一番右の数までの和を求める」などで求めるのが一般的です。
ここにも規則性(立方数1,8,27,・・・)がありますが、そのような規則性を敢えて見つけさせる問題もあります。
①‐1と同じく、②であれば
「8段目の左から4番目」は「11段目の一番左から始まる右斜め上4つ目の数」を求めれば良いことから、基本の「三角数」を用いて
(1+10)×10/2=55
55+4=59
で終わりです。
いくらでも応用が利き、実際いろいろな問題が作られています。
そして
『左右に等しく水が流れるパイプがあります。
ここから1㍑の水を入れると
↓1㍑
|
/\
/\/\
/\/\/\
/\/\/\/\
/\/\/\/\/\
/\/\/\/\/\/\
/\/\/\/\/\/\/\
| | | | | | | |
A B
A、Bからは何㍑の水が出ますか。』
のような問題・・・
これは
「パスカルの三角形」
を基本としています。
「パスカルの三角形」とは
① 1
② 1 1
③ 1 2 1
④ 1 3 3 1
⑤ 1 4 6 4 1
⑥ 1 5 10 10 5 1
⑦ 1 6 15 20 15 6 1
⑧ 1 7 21 35 35 21 7 1
⑨ 1 8 28 56 70 56 28 8 1
⑩・ ・ ・ ・
のように、一番上と両端はすべて「1」
3段目からは1以外、上の2つの数字の和で作られる三角形のことです。
みなさんも1度は目にしたことがあるかと思いますが、これはパスカルが最初に考えたものではありません。もっと古くから研究されていたものなのですが、「パスカルの三角形」として知られています。
「中学受験算数」では、3段目から現れる、左(右)から3番目の数字の並びが、基本の「三角数」になっていることで最も良く使われます。
これはまず
1段目は1
2段目の数の和は2
3段目の数の和は4(2×2)
4段目の数の和は8(2×2×2)
・・・
のように、n段目の数の和が〔2の(n-1)乗〕となっていることと併せて答えを求める問題になっています。(算数では~乗ではなく、~個かけ合わせる、となります)
これも規則性の一つです。
「パイプの問題」のA、Bの段は「パスカルの三角形」で言えば8段目ですが、
問題に応じて、下図の最初の分岐a,bから出る水を1段目とすると
↓1㍑
|
/\
ここ → a b
(a,bで1㍑の水は1:1に分かれ、更にa,bから、ともに1:1に分かれ・・・結果「パスカルの三角形」が利用できることが分かります)
A、Bは7段目にあたり、
7段目のすべての数の和は2を7個かけ合わせ
2×2×2×2×2×2×2=128
左から3番目の数字が表れるのは2段目からなので
7-1=6(2段目から7段目までの段数)
つまり、6番目の「三角数」
(1+6)×6/2=21
よって、求める答えは
21/128㍑
となります。
次に、Bを求めるには、「左から4番目の数は、その左上の数までの右斜め上の数(左から3番目の数=三角数)の和になっている」こと(これも規則性の一つです)を用いれば、簡単(?)に求められます。
7-1-1=5(左から3番目の数(三角数)を5つたす※)
1+3+6+10+15=35
よって求める答えは35/128㍑となります。
他にも、考え方、求め方は、いろいろな規則性を見つけることから始まります。
中学受験後半ではさまざまなことを、「合格」させるために「知識」とする必要もありますが、「教える側」は、生徒が自ら見つけ出すまでの時間と、「知識」として覚えさせる時期とのバランスを、常に考えなければいけません。
「パスカルの三角形」には
まだまだいろいろな「規則性」や「数列」が隠れています。
次回、いくつか簡単なものを紹介しながらお話を進めていきます♬
次は6月23日頃の更新予定♪
では!
※:1+3+6+10+15=35
など、「三角数の和」
1,4,10,20,35,・・・
を、「三角錐数」「四面体数」などと言います。
「パスカルの三角形」で左(右)から5番目の数
「三角錐数の和」
1,5,15,35,70,・・・
を「五胞体数」とも言います。
前回の問題の解答:
題意より、1985,60を自然数n(ただし1<n<60)で割ったときの商をそれぞれa,b、余りをr(a,b,rは自然数)とすると
an+r=1985
bn+r=60
辺々ひいて
n(a-b)=1925
よってnは1925の、60より小さい1を除く約数である。
1925=5^2×7×11
(5^2は5の2乗を表すものとします)
から、
n=5,7,11,25,35,55
60を上のnで割った余りrはそれぞれ
r=0,4,5,10,25,5
となるが
r≠0より、r=0を除く5つの余りの数rでそれぞれ60を割ったとき、割り切れずまた余りがあるものはr=25のみ。
(60だけを調べれば十分です)
よって求めるnは
n=35
ここで
1985÷35=56・・・25
60÷35=1・・・25
1985÷25=79・・・10
60÷25=2・・・10
となり、これは確かに題意を満たす。(解答終わり)
尚、ブログ内の入試問題はすべて使用許諾取得済みです。
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