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suugakusha

算数と数学34 「特殊算」で使われる「比」や「消去算」の基本

更新日:11月27日

こんにちは!


今回は、この先の「特殊算」で使われる、比の基本の一部と消去算の基本を紹介していきます。


例 ○:3=5:2


このような問題を「比例式」と言いますが、その考え方、解き方には3通りの方法があります。


上の式の、「:」の前にある○や5のことを「前項」、「:」の後ろにある3や2のことを「後項」と言います。この言葉だけは覚えておかなければいけません。他に内側の3や5のことを内項、○や2のことを外項と言います。


解【1】と解【2】は下のPDFをご覧ください。





解【3】それぞれ何倍すると同じ大きさになるかを考える方法


○:3=5:2


○は5の割合(大きい)、3は2の割合(小さい)なので、○を2倍、3を5倍すると同じ大きさに揃えることができます。5と2の最小公倍数10(⑩)に揃える、のように考えます。


○×2と3×5(=15)が等しくなるので、簡単な逆算になりますが、ここで、○×2を②のように書くようにすると

②→15

のように書けるようになっていきます。なので

①→7.5(15/2)


この解【3】を多用しますが、中学以降に学ぶ「内項(内側にあるもの)の積と外項(外側にあるもの)の積は等しい」などと意味もなく計算だけを教えるのではなく、算数には「最小公倍数に揃える」問題がとても多いため、それをしっかりと学ぶ機会を与える必要があります。気付いた後自然に覚えてしまう、理解し身に付いた後に教える、のは構いません。



次は消去算の基本問題です。


例14(消去算)


(1)りんご1個の値段はみかん4個の値段と等しく、りんご2個とみかん6個を買うと700円になります。みかん1個の値段を求めましょう。


(2)りんご1個、みかん4個を買うと400円、りんご2個、みかん6個を買うと700円になります。みかん1個の値段を求めましょう。


(3)りんご2個、みかん4個の値段と、りんご1個、みかん8個の値段が等しいとき、りんごはみかんの何倍の値段ですか。


(4)今日は特売日です。りんご1個はみかん3個の値段より30円高く、りんご2個とみかん8個を買ったら620円でした。みかん1個の値段を求めましょう。


(5)お姉さんは太郎くんの2倍のお金を持っています。お姉さんはりんごを4個、太郎くんはみかんを9個買おうと思いましたが、お姉さんは持っているお金が80円余り、太郎くんは持っているお金では10円足りません。りんご1個の値段がみかん4個の値段と等しいとき、みかん1個の値段を求めましょう。


覚えて欲しいのは、例えばりんご1個を①、りんご2個ならば②、みかん1個を△の1のように表すことです(△の中に数字。一般的には○や△や⬜︎を用いますが、ここでは①と❶を用いることにします)。下の矢印(→)は=でも構いません。


例15(1)

①→❹

②+❻→700

(①→❹から)②→❽(りんご2個はみかん8個と同じ)なので

(②+❻→700の②を❽に取り替えて)

❽+❻→700

〔●の14〕→700から、700÷14の計算を行い、

❶→50

みかん1個50円と分かりました。

(〔●の14〕はマルの中に数字を書いたものです。以下同)


(2)

①+❹→400

②+❻→700

○でも●でも揃えやすい方の最小公倍数を求めます。この問題では①と②の最小公倍数2が簡単ですね。りんご1個とみかん4個分で400円なので、その2セット分は800円です。それを式でできるようにします。

(①+❹→400から)

②+❽→800

そこで

②+❻→700

との、●と金額の差をそれぞれ考えて、

❷→100

❶→50

みかん1個50円と分かりました。


(3)

②+❹→①+❽

なので、差(りんご1個はみかん何個と取り替えられるか)を考えれば、

①→❹

と分かるので、りんごがみかんの値段の4倍であることが分かります。


(4)

①→❸+30

②+❽→620


やはり○でも●でも簡単な方に揃えます。この場合も①と②を揃えます。

りんご1個がみかん3個と30円と等しいので、りんご2個分はみかん6個と60円です。ここがしっかりとできるようにしましょう。

②→❻+60

(②+❽→620の、②を❻+60に取り替えましょう。すると)

❻+60+❽→620

〔●の14〕+60→620となるので、

差を考えて(みかん14個より60円多いのが620円なので)、

〔●の14〕→560

❶→40(560÷14=40)

これで、みかん1個40円と分かりました。


(5)お姉さんと太郎くんの持っているお金の比は2:1です。なので次のような式を立てることができます。


(④+80):(❾-10)=2:1


このとき気を付けることは、前もって学び練習しておく部分です。

余る、足りないと言う言葉は問題によって、たすかひくかが変わります。また、差(違い)にはたすこともひくこともある、と、和差算や分配算他(つるかめ算や過不足算等々)を、小6の比を学ぶ前に、たくさんたくさん練習することで当たり前になっている必要があります。


上の式を立てたら、比の基本と上の(1)~(4)で学んだことがそのまま使えます。


④+80が、(❾-10)の2セット分と等しくなるので、

④+80→〔●の18〕-20

(りんご1個がみかん4個と等しいので、①→❹から)

④→〔●の16〕

④+80の④を〔●の16〕と取り替えて、

〔●の16〕+80→〔●の18〕-20


それぞれの差(違い)は?

ここがポイントですね。80円多いことと20円少ないことの差(違い)は、たし算になります。

❷→100(80+20=100)

❶→50

みかん1個50円と分かりました。


この先、「特殊算」を解くときには上のような「比」や「消去算」の計算が使えないかを考えながら解いてみてください。難問と呼ばれるものの多くは、このような計算を覚えておくことで解けるようになります。




さてさて、今回はここで終わりです。楽しんでいただけましたか。


次回更新予定は11月7日(木)です。


それではまた!!

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