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suugakusha

算数と数学14

更新日:8月1日

こんにちは!


今年は次から次へと台風が発生し、今また台風14号が沖縄の東に。

今回は沖縄への影響は少なそうですが、進路によってはまだ油断できません。

万全な備えを心がけたいと思います。



さて、前回「二項定理」

(x+y)^n

=nC0x^n+nC1x^n-1y+nC2x^n-2y^2+・・・+nCn-1xy^n-1+nCny^n・・・①

(nC0+nC1+nC2+・・・+nCn-1+nCn=2^n項※、すべての項がn個の文字の積)


が、場合の数を基本としていることを学びました。


この「二項定理」の中でも


(1+x)^n=nC0+nC1x+nC2x^2+・・・+nCn-1x^n-1+nCnx^n・・・②


は、様々なところで良く用いられます。

(1は何乗しても1なので省略しています)


例えば上の※

nC0+nC1+nC2+・・・+nCn-1+nCn=2^n項


は、2乗、3乗、・・・のときと同様に、

(x+y)の2項がn回かけ合わされているので2^n項と明らかなのですが

②を用いても証明できます。


②のxに

x=1を代入するだけ。


あら不思議。


左辺は(1+1)^n=2^n 右辺はx、x^2、x^3、・・・すべて1になるので nC0+nC1+nC2+・・・+nCn-1+nCn となり、※が成り立つことが分かります。


この②が他にどのようなところで使われているかは、もうしばらくお待ちを。

代表的なものを紹介しますので楽しみにしておいてください♪


おや。

「二項定理」①を良く見ると、灘中の問題の「数学」での解き方が見えてきます。


「二項定理」①より

x=10,y=1とすると


11^100=(10+1)^100

=100C010^100+100C110^99+・・・+100C9510^5+100C9610^4+100C9710^3+100C9810^2+100C9910+100C100

(1は何乗しても1なので省略しています)


としてしまえば簡単ですね。


右の6個の数字は

100C5=75287520

100C4=3921225

100C3=161700

100C2=4950

100C1=100

100C0=

の結果だった訳です。

(100C95=100C5、100C96=100C4、・・・以下同)

あとは順に10^5、10^4、・・とかけていくだけ。


このことから「算数と数学11」で示した解答(予測)は正しかったようです。


「算数」で考えるより先に、こちらを思い付いた人が多かったのではないでしょうか。


「算数」は「規則性を予測」することで解を求めるのに対し、「数学」では「すでに証明されたものを用いて」解を求める。


と、まったく「解き方」として異なります。


ただ一つの共通部分は「必ず過去に学んだことを用いて問題はできている」と言うことだけです。



が。


ここで問題が発生します。


このタイプの問題では

「一番上と両端は1,その他は上の隣り合った2数の和」

のようにしか書かれていません。


「パスカルの三角形」(一番上に1が1個あるもの)では

「n段目の左からk番目の数がn-1Ck-1である」

ことは良く知られていますが、これを既知として用いて良いのでしょうか。

いや、まだその証明は済んでいません。


「パスカルの三角形」のn段目の数の和が2^n-1となることも、上で証明できたと思いきや、そもそもこれも「二項定理」を用いています。


「二項定理」で簡単に答えが求められる、と思った人はそれで「正解」ではあります。

が、なぜ「二項定理」が「パスカルの三角形」に使えるのでしょう。



それではその「パスカルの三角形」の最も基本たる謎を解き明かしていきましょう。

みなさんもぜひ、その証明方法を考えてみてください。



さてここで、次回掲載する証明のため

「次数」「単項式・多項式」「整式」「降べきの順(昇べきの順」「係数」「定数項」

等の用語の説明を簡単に。


「次数」とは

ab^2、x^3などの、かけられている文字の個数のことを言います。

中学数学では、上の2つはどちらも「次数」は3であり、3次式、などとも言います。

高校数学になると「1つの文字に着目」することにより、

ab^2

「aについて着目」すると、次数は1(1次式)

「bについて着目」すると、次数は2(2次式)

となります。

このような「積」だけで作られている文字式を「単項式」と言い、


x^4-4x^3y+6x^2y^2-4xy^3+y^4・・・※


のように「2つ以上の項の和」で作られている文字式を「多項式」と言います。

この式を「xについて着目」すると、次数は4(4次式)であり、「多項式」の場合の「次数」は、各項の中でその着目した文字が最も多くかけられているものを指します。

また、このような0以上の整数乗で表されている式を「整式」と言います。


※は

xについての「降べきの順」(次数の高い順の和で表されているもの)

yについての「昇べきの順」(次数の低い順の和で表されているもの)

とも言い、

「xについて着目」すると、

各項の「係数」は

x^4の項の係数⇒1

x^3の項の係数⇒ー4y

x^2の項の係数⇒6y^2

x の項の係数⇒ー4y^3

となり、

y^4を「定数項」と言います。


数学では様々な用語が出てきますが、それを覚えるのも数学を理解するための大切な要素となります。



ではでは、次回更新は少し間を空けて10月6日頃を予定しています。



それではまた!

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