こんにちは!
数學舎は今日で1学期の授業が終了。
25日から夏!夏!夏期講座!
が始まります!!
さて、後半には灘中の解答もあるので、今日は「場合の数」を少しだけ。
「3人を横に並べる場合の数」は
3×2×1=6
これを3!(3の階乗)と書きます。
例えば1チーム9人で野球をするときの打順の決め方は
9!=362880(通り)
ビックリ!
!の記号にビックリ(感嘆符:エクスクラメーション)の意味はありませんw
「10人の中から、班長、副班長、書記を順番に選ぶ場合の数」は「順列」を用い
10×9×8=720
これを10P3と書きます。
読み方は「パーミテーション10の3」でも「10ピー3」でも構いません。
「10人の中から委員3人を選ぶ場合の数」は「組み合わせ」を用い
(10×9×8)/(3×2×1)
(分子10×9×8、分母3×2×1の分数)
順列の場合の数を、3人の並び順の場合の数で割ったものになります。
これを10C3と書きます。
読み方は「コンビネーション10の3」でも「10シー3」でも構いません。
またnCr=nCn-r,nCn=nC0=1,0C0=1となります。
nPr=n!/(n-r)!
nCr=n!/r!(n-r)!
も併せて覚えておいてください。
次に
〇〇〇〇〇
の中に+か-のどちらかを入れた場合、
一つの〇に2通りの入れ方があり、5個の〇では
2×2×2×2×2=32(通り)
を「重複順列」と言い
2^5(2の5乗)
の計算ができます。
1〇2○3○4○・・・〇9
で、+、-、×、÷の4つを入れる場合は、〇が8個あるので
4^8=65536(通り)
小町算の場合
5^8=390625(通り)
これだけの数から成り立つものを考えるのですから、難しい訳です。
これまでの記事の式で、良く分からなかった、と言う人はこれらを参考にしてください。
このあとはこれらが、式の展開にどのように使われ、どのように発展していくのかを学んでいきたいと思います。
次回更新は8月4日頃の予定です。
それではまた!
前回の問題の解答(考え方):解①、解②の2つの解法を掲載します。
尚、この解法は【数學舎】独自の解法であり、入試本番やこの問題を利用した練習時の子供たちの脳の動きを捉えた説明となっています。
よって、下の解答は一気に見るのではなく、1行ごと何かに気付いたら自分で解く、のようにお使いください。
1 1 ・・・1段目
1 2 1 ・・・2段目
1 3 3 1 ・・・3段目
1 4 6 4 1 ・・・4段目
1 5 10 10 5 1・・・5段目
11×11=121,11×11×11=1331
11×11×11×11=14641
11×11×11×11×11=161051
100段目は
1 100 ・・・・・・・・・・ 75287520 3921225 161700 4950 100 1
ヒントはこれだけで「100個の11をかけた数の下6桁を求める」問題です。
解①(やや難:解答時間3~5分)
どうしても気付かない人はただ眺めていても仕方ないので
14641×11のひっ算をしてみましょう。
14641
× 11 14641 14641
ここで普通に計算をすると
161051
ですが、よく見るとこの答えは
「繰り上げをした結果」です。
では「繰り上げをせず」縦にたし算をした場合は?
1 5 10 10 5 1
ですね。これらのことと
ひっ算で縦に繰り上げをせず計算したものは、隣通しの数をたしたものと同じ!
と「気付く」ことも必要です。
では、
1 5 10 10 5 1
から161051を作るには? 「繰り上がり」は10の集まりができることで行われます。
一番上の位の1に0を加えて、桁を揃えて次の5を書いてみましょう。 10|←ここを 5| 揃える
次は
10
50|←ここを揃えると
10|←6+4の繰り上がりと桁が揃う
同じことを繰り返します。
10
50
100
100
50
+ 1
161051
できました♪
161051×11=1771561
と6段目でも成り立つのでしょうか?
(時間がない場合ここは省略!)
1 5 10 10 5 1・・・5段目
1 6 15 20 15 6 1・・6段目
10
60
150←5+10の繰り上げ
200←10+10の繰り上げ
150←10+5の繰り上げ
60
+ 1
1771561
♬・・と言うことは・・・
100段目でもできるのではないか?
と、「予測」をして計算するだけです。
752875200
39212250
1617000
49500
1000
+ 1
・・・・・・・446001
(解答終わり)
解②(易しい:解答時間2~3分)
1,1や1,2,1の横並びの数字を11や121にすることは位取りと同じなので
小3で学ぶ「位取り(記数法)」で表してみましょう。
(一、十、百、千、・・・の下に数字を書く「位取り」表でもOK)
1,1(十が1個、一が1個)⇒10×1+1×1=11
・
・
1,4,6,4,1(一万が1個、千が4個、・・・)
⇒10000×1+1000×4+100×6+10×4+1×1=14641=11×11×11×11
同じことが5段目でもできるでしょうか?
1,5,10,10,5,1(十万が1個、一万が5個、千が10個、百が10個、・・・)
⇒100000×1+10000×5+1000×10+100×10+10×5+1×1
=100000+50000+10000+1000+50+1
=161051
11×11×11×11×11=161051
の結果と同じです!
これを見ると、右から6番目の数には0を5つ※、右から5番目は4つ、・・・
付け加え、その和を求めれば良いので(※このとき75287520は不要と気付く子もいます)
与えられた数でもできると「予測」し
7528752000000
39212250000
161700000
495000
1000
+ 1
・・・・・・・446001
(解答終わり)
100段目を答えさせる、と言うことは何らかの「規則性」があるはず、と瞬間的に捉え、考え切る力は普段からの「学び」の中で作られます。
解②の方が圧倒的に簡単ですが、でも、もし気付かなかったら実際に計算してみる。なども入試では最重要の力。これも普段の「学び」の中で経験しておくことです。
そして、「必ず過去に学んだことを用いて」問題は作られ、解けるようになっています。
ただ、そのためには、そのときに使える「何か」に「気付く」必要があるのです。
結局、解①も解②も、小3で「大きな数」を学んだあとならば、「繰り上がり」や「位取り(記数法)」で解くことができる簡単な?問題でした。
どうでしょう。楽しんでもらえましたか^^
「中学受験算数」ではこのような、「古い数学に共通する要素を持つ」問題があります。
その要素の一つが「正しく予測できるか」です。
古いとは言っても、数学に「証明」が必要とされるようになったのは「数学の歴史」からすればまだ最近のこと。
数学では、何らかの事象に「気付き」「検証を経て(論拠を得て)」「正しく予測」する「脳力」も求められます。
そういう意味でも、「灘中らしい問題」と言えるでしょう。
しかし残念ながらこの問題は、今後定番にはならないタイプの問題に当たります。
定番にならないものには大きく分けると2種類。
1,算数から完全に逸脱したもの
2,良問であっても応用がききにくいもの
この2です。
この問題は「答えの出し方だけ」を教えてしまうと意味がありません。
問題を見たときに「どう捉え、解き方を導き出すか」が重要になっています。
さて、次は「数学」で解いてみてください♬
何を用いれば解けるのでしょう?
もう気付いている人が多いと思いますが・・・
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