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suugakusha

特別企画:「解答・解説」編 その2

更新日:2023年12月20日

「特別企画」の問題の「解答・解説」編 その2です。


それでは、解説を始めましょう。


解2


例えば、八百屋さんに「リンゴ」「ミカン」「梨」がたくさん売られています。


この3種類の果物から、好きな果物を計10個買うこととします。

何通りの買い方があるでしょう。


これも、知識としておかないととても難しいですね。

どのように求めれば良いのでしょう。



「リンゴ」「ミカン」「梨」の置き場所を、仕切りで作ります。


3種類あるので、仕切りは2つあれば大丈夫です(3-1=2)。


    |    |

 ↑    ↑   ↑

リンゴの場所 ミカンの場所  梨の場所

この3か所に、果物を10個の〇で表し、置いてみましょう。


〇〇〇|〇〇|〇〇〇〇〇

例えばこのように置いた場合は、

リンゴ3個、ミカン2個、梨5個を買ったことになります。


〇〇〇〇|〇〇〇〇〇|〇

この場合は、リンゴ4個、ミカン5個、梨1個

〇〇〇||〇〇〇〇〇〇〇

この場合は、リンゴ3個、ミカン0個、梨7個

ですね。


この、〇と|を

10個の〇と2本の線の並び順と考えるとどうでしょう。


解1でも用いた計算

12C10(=12C2)や、

12!/(10!×2!)

が、成り立つことが分かると思います。

答えは66通りですね。


では次に、上と同じ問題で、3種類の果物をそれぞれ少なくとも1つは選ばなければいけないものとしたら、どうすれば良いでしょう。好き嫌いがあってはいけませんよね。


そのときは、「リンゴ」「ミカン」「梨」を1個ずつ、先に取っておけば良いのです。

つまり、

10-3=7(個)

7個は自由に選んで良いことになります。

仕切りは同じ2つで良いので、

7+2=9

よって、計算は

9C7(=9C2)や、

9!/(7!×2!)

が成り立ちます。

答えは36通り、となります。


さて、この考え方が、今回のサイコロの問題に、どう関係するのでしょうか。



サイコロの目は1~6までです。


0(ゼロ)はありません。と言うことは、果物の問題では、少なくとも1個ずつは買う、方の問題と同じことをすれば良いことが分かります。

和を12とすることを考えると、


12-6=6

これで、6個のサイコロすべてで0(ゼロ)にはなりません。少なくともすべて1の目は出ることになります。

しかし、今度はサイコロの目の上限が6であることが問題です。


6個のサイコロですから、仕切りを5つとして考えます。


|||||

↑↑↑↑↑↑

今、この6か所には、すでに1ずつ入っています。

ここに残りの6を、1か所に全部入れると・・

1+6=7??


和を12とすることを考えると、例えば


1,1,1,1,1,7


のようになってしまいます。

この、絶対にあり得ない場合の数は、7の場所を入れ替えれば6通りです。


つまり、果物の問題と同じ計算をしたあと、この6通りを引けば、答えが求められる!


12ー6=6(サイコロ6個に1ずつ与える)

仕切りの数は、

6-1=5

6+5=11

11C611C5(6個の〇と5本の線の並び順)

=(11×10×9×8×7)/(5×4×3×2×1)

=462(通り)


462ー6=456(通り)


出ました!!



今回の問題に限れば、わざわざこの「解2」を用いる必要はありません。


しかし、「サイコロ6個で目の数の和が11」までは、できないものを引く必要もなく一瞬で答えが出せます。


11-6=5(0はない)

6-1=5(仕切りの数)

5+5=10

10C5=252(通り)


実は、サイコロが何個だとしても、目の数の和が、そのサイコロの個数に5を足したものまでは、この計算で求めることができるのです。


例えば

「サイコロn個を同時に投げたとき、目の出方は6のn乗通りと考えます。

ではその内、出た目の数の和がn+5となる場合の数は、何通りになるでしょう。」

のような問題は、


=n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)/120(通り)


のように、美しい答えを一瞬に出すことができます。

(手順通り式を立ててみてください)


これを解1で解こうとすると・・・


上のような仕切りの考え方を用いて得られたような、すっきりとした答えの形にはなりません。まとめるにはかなり大変な式になります。


また更に、今回の「サイコロの個数+6」よりも計算は少し複雑になりますが、目の数の和が、サイコロの個数+11までは今回の問題と同じひき算の考え方が利用できます


長くなり過ぎたので、残念ながらこの解説は省略します。



さて、この「仕切り」と同じ考えを用いる問題は、見た目でなかなか気付かない問題にも良く使われます。

ほんの少し、もしかして、これ「仕切り」使える?

のように、頭をめぐらせるとあっさり解ける問題が、所謂「難関大」と言われる大学入試数学では数多く出題されているのです。


この先大学受験を考えている方は、できれば身に付けておきたい解き方の一つと言えるでしょう。

このお話は、ブログ「算数と数学9」にも少し載せていますので、ぜひ読んでみてください。



それではまた!!




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