特別企画、楽しんでいただけましたか?
今回は「解き方」編です。
1-2+3+4-5+6-7-8+9=1
の例にヒントが隠れていました。
正だけを取り出した絶対値
1,3,4,6,9
の和は23
負だけを取り出した絶対値
2,5,7,8
の和は22
になっていることが分かります※1。これは
1~9までの和は45←奇数
右辺は1←奇数
(整数の)2数の和と差の偶奇(偶数、奇数)は必ず一致しなければいけません。これが最も大切な条件となります※2。
との、偶奇の判断ののち、
23と22の出し方は和差算※3を用います。
(45+1)÷2=23←正の数の絶対値の和
(45-1)÷2=22←負の数の絶対値の和
つまり、このような組み合わせであれば、+と-の2種類だけでもたくさんできることが分かります。
「+、-、×」や「+、-、×、÷」も、基本はこのたしひきと同じです。
①「+、-、×」の作り方
例えば1×2=2←偶数
となり、1と言う奇数1個を使って偶数にしたことで、このままではどんなに頑張ってもできません。
もう一つ3×4=12などを作るか
1×2×3=6←奇数2個で偶数にする
などの「偶奇変換※4」を考える必要があります。
では1×2と3×4を用いて作れるか検証しましょう。
1×2,3×4 5,6,7,8,9
2 12 和は35
2+12+35=49←左辺の和
(49+1)÷2=25←和差算(正の和)
(49-1)÷2=24(負の和)など
最初の1×2=2は必ず正として用いるので
25-2=23
12,5,6,7,8,9
を用い、次は和が23となるものがあるか調べます。
ありますね♪
例えば12+5+6=23を用いると
1×2+3×4+5+6-7-8-9=1
6+8+9=23を用いると
1×2-3×4-5+6-7+8+9=1
となります。
このように、常に偶奇に注意することで、たくさんの答えを求めることができます。
②「+、-、×、÷」の作り方
これも基本は同じですが、先にわり算が可能な組み合わせを見つけなければいけません。
例えば
÷5や÷7が不可能なことはすぐに分かりますが、1以外の他の数字はすべて検証が必要です。(「基本パターン※5」と呼んでいるものの一つ)
この中で、すぐに見つかるのが
1÷2×3×4
3×4×5÷6
などを用いたものでしょう。
奇数2個を用いて偶数にしているので、どちらも検証可能です。
あとは上の「+、-、×」と同じようにするだけで簡単に見つかります。
3×4×5÷6は、もう一捻りしても面白いですよ♪
なかなか気付けないものも紹介しておきましょう。
1÷2=1/2と3÷4×5×6=45/2を検証してみると・・・
1,3,5の3個の奇数を用いているので
1/2+45/2=23←奇数
よって、検証可能です。
残りの数字は7,8,9
あぁ残念。
-1ならばできますね。
(1/2-45/2のひき算の場合はー22の偶数と残り7,8,9なので、できないことがすぐに分かります)
2÷3=2/3と4×5÷6=10/3ではどうでしょう。
2/3+10/3=4←偶数
3と5の奇数2個を用いているので検証可能です。
残りの数字は
1,7,8,9
和は25
4+25=29
(29+1)÷2=15←正の絶対値の和
残念!
これも-1ならばできます。
できるものはあるのか?
と疑問に思うなかれ。ちゃんとあります。
3÷4=3/4と・・・
更に。
1÷2÷3=1/6を用いたものもあります。
この先はぜひ楽しんでみてください!
ブログでは
300年以上解き方がない、とされていた「小町算」の解法を一部公開しています※6。
「小町算」はただの遊びに過ぎませんが、興味のある方はそちらもどうぞ♬
1〇2〇3〇4〇5〇6〇7〇8〇9=1
は、「学びに利用できる問題」として、30年ほど前に公開したものの一つです。
※1~6:ブログ「算数と数学~COFFEE BREAK2」に関連事項掲載
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